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私が麹食文化を未来に繋ぐ理由

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私は22年間、元祖麹料理研究家として麹料理を伝える活動を続け、業界をリードして来ました。

しかし、料理を教えることを仕事にしようと思って活動を始めたわけではありませんでした。

22年前、家族と自分のアレルギーと向き合う中で、腸の健康が大切だということを知りました。

「腸を健康にするためには発酵食が良い、日本には優れた発酵食がある」という情報に導かれ、

「麹」と出会いました。

麹の発酵調味料を使うと料理がなんでも美味しくなることに感動し、夢中になりました。

麹料理の感動を仲間と分かち合いたくて、ことある毎に麹料理を人に振舞っているうちに評判になり、

「教えてほしい」と頼まれるようになりました。

人に教えるためにはきちんと学ばなければならない。

まず、私は地元の糀屋さんに話を聞きに行きました。

そこで聞いた言葉に私は耳を疑いました。

『小紺さん、麹は右肩下がりの消えゆく産業ですよ。』

現代人の多くが、家でご飯を炊かない。すると味噌汁も漬物も必要ない。

味噌や醤油が売れなくなり、漬物屋もどんどん廃業する。

すると糀屋も取引先がなくなり、芋蔓式に日本の醸造業界は衰退してゆくのです。

麹の醸造技術は世界に類を見ない高度なものです。

麹が発酵によって生み出す力は医療業界、美容業界でも注目されるほど価値の高いものです。

このままでは1300年以上続く麹の伝統が途絶えてしまう。

この高度な食文化は一度失ったら二度と取り戻せなくなる!

私は危機感を覚え、同時に使命感が芽生えました。

『そうだ、新しい麹食文化を創造しよう』

私は、神様から「新しい麹料理を生み出し、世の中に伝える」という仕事を授かったと感じました。

伝統とは古いものをそのまま伝えることではありません。

コピペは繰り返すほどに劣化してゆきます。

伝統とは、先人たちの智慧を礎に、時代に即した感性やニーズを取り入れて変化させながら伝えてゆくことです。

ご飯を炊かない人たちや欧米化された食事が大好きな人たちに「ご飯と味噌汁」を中心とした和食ばかりを勧めても、その人たちの食卓に麹が受け入れられるはずがありません。

だから、パスタ、ハンバーグ、焼肉、唐揚げ、ポテトサラダ、カレーライスetc・・・

現代人が好む料理に麹の発酵食を使う提案をすれば良いと閃きました。

いつも食べている大好きな料理の美味しさと健やかさが格上げされれば、必ず麹は現代の食卓に返り咲くはずだと確信したのです。

麹の発酵調味料は「おいしー」「ヘルシー」「かんたん」を同時に叶えてくれます。

三拍子揃った便利な麹料理は忙しい現代社会の食環境を整える最強ツールです。

私たち日本人にとって「麹」が醸し出す美味しさと心地よさはDNAの記憶に刻み込まれているから、

老若男女問わず受け入れられる癒しの力を持っていると私は感じています。

麹料理は台所と食卓に安心と喜びをもたらします。

私はこれからも新しい麹食文化を創造し、

日本の伝統食文化のアイデンティティを取り戻しつつ、

台所から世の中を元気づけ、幸せな未来を育んでゆきます。